ネガティブカロリーフードとは?
ネガティブカロリーフードとは、
「その食品が持っているカロリーよりも、その食品を消化・吸収する課程で消費するカロリーのほうが高い食品」
のことです。
つまり、
摂取カロリー < 消費カロリー
となり、そういう食品を積極的に食べることでダイエットできるという方法です。
ネガティブカロリーフードを食べれば食べるほど、消費カロリーをどんどん増やすことができるので簡単にダイエットできる、というものです。
英語版Wikipediaによると、ネガティブカロリーフード(negative calorie food)は次のような食品が挙げられています。
- 野菜:アスパラガス・ブロッコリー・キャベツ・ニンジン・カリフラワー・セロリ・唐辛子・ニンニク・レタス・タマネギ・
- 果物:リンゴ・ブルーベリー・クランベリー・グレープフルーツ・レモン・ライム・マンゴー・オレンジ・パパイヤ・桃・パイナップル・ラズベリー・イチゴ・トマト・スイカ・キュウリ・ズッキーニ
ネガティブカロリーフードは野菜と果物に集中していることが分かります。
しかも、私たちの生活になじみ深い食物がほとんどです。
科学的根拠のないダイエット方法
結論からいうと、ネガティブカロリーフードダイエットには科学的な根拠はありません。
これらのネガティブフードカロリーの摂取カロリーと、消化吸収に必要なカロリーを測定して比較したデータがないということです。
試しに、世界中の医学論文が検索できる検索エンジンPubMedで、"negative calorie food"というフレーズでフレーズ検索したところ、ヒットした論文は一件もありませんでした。
アメリカのニュース雑誌「TIME」の記事でも、ネガティブカロリーフードの存在を否定しています。
食品の持つカロリーは、ボンブ式カロリーメーターという装置で実測することができます。
また、消化吸収に必要なカロリーは、食べた人の酸素摂取量が、安静時に比べてどのくらい増加したかで計算することができます。
もし本当にネガティブカロリーフードというものが存在するのならば、それを科学的に証明したデータがないことは全く不思議なことです。
さらに、ネガティブカロリーフードダイエットという言葉が聞かれるのはインターネット上だけであり、医学関連・健康科学関連の学会や学術雑誌で一度もその存在が話題になったことがないのも不思議な話です。
ネガティブカロリーフードダイエットは、都市伝説といえるでしょう。
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