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使用前・使用後の正しい比較を行うため

正しい,比較

○○を3週間食べ続けたら2kgやせた!と、テレビに映った体重計の数字が示しています。

 

うんうん、確かに2kgやせましたね。
しかし、それは本当に○○を食べたせいですか?
もし、○○を食べないでも2kgやせたとしたらどうですか?
あなたがやせたのは本当に○○を食べたからと言い切れますか・・・??

 

医学・生物学の研究は「比較」が原則です。
ある食べ物や薬の効果を確かめる場合、基本的に「その食物・薬を与えた被験者」と「その食物・薬を与えなかった被験者」に分けて、効果を比較するのが原則です。

 

なぜ、そんなことをするのか?
それは「その食物・薬を与えなくても起きるであろう変化を差し引くため」です。

 

例えば、テレビ番組の「○○を食べてやせる」という企画の被験者に選ばれたとします。
「番組に選ばれたこと」がその人に精神的に影響を与え、今までの乱れた食生活を良くするかもしれません。
いつも食べていたおやつを控えるかも知れません。
今までエレベーターを使っていたのに収録が終わるまでは階段を使って少しでも体脂肪を減らそうとするかもしれません。

 

いくら「収録期間中はこれまでの生活を変えないで下さいね〜」と念押しされたとしても、人間誰しも、やっぱりいい結果が出てほしいものです。
無意識的に「カラダにいい生活」を心がけてしまい、それが結果的に体重を減らしてしまうかもしれません。
もちろん、結果が大事なのだから、自分で実践するときはそれでもいいんですよ。
心理的にいい影響が出て、結果的に体重が減れば。
しかし、これは「○○にやせる効果がある」とは言えません。
同一人物で実験期間の前後で比較をする場合、さらにもっとひどい可能性があります。

 

たとえば、実験前の体重測定を食後の満腹の時間帯に行って、実験後の体重測定を食前の空腹の時間帯に行っているとしたら・・・?
これは「同じ条件で○○の効果を比較」していると言えますか?

 

○○の効果を正しく評価するには「食べたグループ」と「食べないグループ」に分かれて、その効果を比較すること。これが「同じ条件で比較する」ということです。

 

正しい,比較

 

ただし、場合によっては、同一人物である食べ物や薬を投与した前後の比較をする場合もあります。
その場合は、もし、投与しなかったら何も変化しない可能性が非常に高いことを十分検討した条件のもとで行われます。

まとめ

数字が真実を示すとは限らない。
「誤差」「異なった測定条件」「○○以外の効果」が結果に含まれると心得よ!

 

 



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