統計的に有意な変化?
健康情報系の番組を見ていてツッコミたくなるところは山のようにあるのですが、
その中で毎回必ずといっていいほどあるのが「被験者が少なすぎる」ということです。
4人の被験者を測定し、4人中3人の体脂肪率が減ったからといって、それは「有意な減少」といえるのか?
あるいは、4人の体脂肪率の平均値が減ったからといって、それは「有意な減少」といえるのか?
テレビの実験結果は、誰でもそうなるという「再現性のある」ものなのでしょうか?
研究の世界では「統計」という手法を用います。
統計学の世界では、平均値が下がったからといって、すなわち「有意な減少」とはなりません。
詳しい方法は数学的なものなので割愛しますが、その減少が有意であるかどうか、確率的な方法で「検定」します。
検定の結果、95%以上の確率で減少することが証明できなければ、
たとえ平均値が下がっていたとしても、4名中3名が下がったとしても、「有意な減少」であるとはいえません。
検定を行うには個々の被験者のデータが必要なのですが、通常、統計的手法を用いる場合、こういう単純な2つのグループの比較の場合、、最低でも7つ以上の被験者データが要求されます。
通常はもっと多いです。10から20くらいですね・・・
ほんの数名からのデータでは、統計的手法を用いたとしても、その信頼性は乏しいです。
このような、被験者の少なすぎる実験はあくまで「そうなるだろうな〜」というイメージ的なものに過ぎず、「きっとそうなる」という結論を出すことはできないのです。
ましてや「ウェストが平均1.5cm減った」とか「体脂肪率が平均1.2%減った」とかいう微妙な変化ならなおさらです。
皮膚には弾力性があるので、1.5cm程度の変化なんて、メジャーの巻き方次第でどうにでもなりますし・・・
まとめ
被験者が数名という実験は信頼性に乏しいと心得よ!
微妙な変化ならますます怪しい。
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