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論点をずらす

おそらくこれは、シナリオどおりの結果が得られなかった場合のことでしょう。もともとのテーマを巧妙にはぐらかしていることも散見されます。
例えば、テーマが「○○を飲んでやせる」だとします。ところが、「○○を飲んだところ体重が減った」ということを示さないで、話をすりかえて視聴者を納得させるのです。

 

どのようにするか?

 

例えば・・・
『肥満のメカニズムは、まず、脂肪の多い食事をすることで、脂肪が腸で吸収され、血液中の中性脂肪が増えます。
血液中の中性脂肪は脂肪細胞に取り込まれ、脂肪細胞の大きさが大きくなり、肥満となるのです。
だから血液中の中性脂肪値の上昇を抑えることが、肥満を予防するカギだ!』

 

と、繰り返し、「肥満=中性脂肪値の上昇」という構図を視聴者に植え付けるべく、さんざん前フリをします。

 

まあ、「中性脂肪値が高い人は肥満になりやすい傾向にある」ということ自体は特に間違いというわけではなく、ごく一般的な説明なのですが・・・

 

しかし、ここからが問題です。

 

『ここで視聴者の代表の人に○○を二週間飲んでもらいました。
すると、驚いたことに中性脂肪値が激減していたではないか!
○○はやせるための夢の食材だ!!!』

 

・・・・なんかおかしくないですか?
この実験では「中性脂肪値を下げること」は示しても、「やせること」を証明していないでしょ?

 

確かに中性脂肪値はある程度肥満と関係はありますよ。
でも、中性脂肪値が下がったからといって必ずやせるわけではないのです。
そもそも、中性脂肪値は食前と食後で変わるし、どういう時間帯に実験したか、それも問題なのに。

 

まあ、当初の予定通りに結果が出ないというのは実際の研究の世界でも日常茶飯事です。
番組を成立させるための「論点のすりかえ」は「結果の捏造」よりも100倍はましなわけですが・・・

まとめ

論点を微妙にずらす場合がある。
実験で予想通りの結果が出ないことはよくあること。
10主張されたら5は聞き流すくらいでちょうど良いと心得よ!



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